あみ&たた バタバタ米国日記

医者夫婦で、夫たたは研究留学、妻あみは慣れない主婦業。いろんなことが起こる米国生活をつづります。

医者が米国で妊婦になった【9】はじめての胎動! おすすめiPhoneアプリも

f:id:amiko81:20150615105346p:plain

腹の子は元気なのか、不安な日々…

 3週5日で妊反陽性になってから8週0日の初回健診で正常妊娠が確認できるまでの4週間も長かったけれど、それ以降も健診の間はベビーの生存確認方法はないわけで、お腹の中でベビーは元気なのか、ちゃんと大きくなってるのか不安なまま過ごしていました。

 

 患者さんがいない隙をみて救急外来のエコーをチョイチョイっと借りてお腹の中を見る…なんて職権乱用もここではできず、ひたすら気を揉むのみ。

 

 ルンルン気分で健診に行って、「実は…お腹の赤ちゃんの心拍が止まってます」と宣告される可能性だって、じゅうぶんあります。怖いですよねぇ、ヤダヤダ。

 

ついに来た! ポコポコっ!

 そんな数か月を過ごし、17週6日になった日のこと。

頭痛がひどくて昼間からゴロゴロしていたら、下腹部でなにかがポコッと動いた気がする…腸のガスの動きとは違う気がする…これが胎動か!

 

 妊反が陽性になっても、エコーで楕円形のベビーが見えてもいまいち妊婦になった実感が湧いていませんでしたが、とうとう体内に別の生きものが生息している証拠を突きつけられた感じです。ポコっ、ポコポコっ、ってなんか可愛い…ふつふつと愛情が湧いてきました。

 

胎動の科学

はじめて胎動が分かるのはいつごろか? どんな感覚か?

 ベビーが動きはじめるのは8−9週頃からですが、動きが母体側に感知できるほど激しくなるまで時間がかかります。初産婦だと16−22週頃、経産婦だと少し早くて14−17週頃から胎動を感じることが多いようです。

 

 経産婦のほうが早く胎動を感じる理由については、

①胎動がどういう感覚なのか理解している、

②子宮の筋層がゆるいので胎児の動きが母体側に伝わりやすい、

のが主な要因だそうです。なるほど。

 

 英語では初回の胎動を”quickening”と呼ぶようです。

「ポップコーンがはぜたような」「蝶が羽ばたくような」と形容するのだとか。

 

↑ここでもまたポップコーン登場www

 米国人のポップコーン♡愛を垣間のぞいたときの記事はコチラ↓

amiko81usa.hatenablog.com

 

 

胎動カウントのやりかた

 胎動の減少と胎児の状態悪化に関連があることが分かっているので、ベビーの元気さの判断材料として胎動カウント(kick count)を推奨する先生もいるようです。

 

 胎動カウントには統一されたやりかたはないのですが、比較的ポピュラーな方法としてあちこちに載っているのは以下のとおりです。

・胎動を10回感じるのにかかった時間を記録する(count to 10)

・できれば毎日決まった時刻で、ベビーが起きているあいだに、楽な姿勢でやる

・10回カウントが2時間以内にできればOKと判断

・2時間以上かかるなら、同じ日の別の時間にもう一度やりなおし

・それでも2時間以上かかるなら → 病院に連絡

・2時間以内でも、いつもとパターンが異なるなら → 病院に連絡

 

胎動カウントで何が分かって、どうすべきなのか

 さて理想的には、こうあるべきなんですが…

① 胎動カウントのやりかたが決まっている

② こういう妊婦は胎動カウントをすべき、と決まった基準がある

 (または、すべての妊婦がカウントすべきと分かっている)

③ 胎動カウントがこうなれば病院に行くべき、と決まった基準がある

④ 病院でこういう追加検査をすべき、と決まった基準がある

⑤ 追加検査の結果がこうならこういう対処をすればいい、と決まった基準がある

 (分娩誘発なり、経過観察なり)

⑥ こういう対処をすれば死産が◯%減る、新生児集中治療室(NICU)入院が◯%減る、と分かっている

 

 そのへんどうなのか、医学論文をまとめて整理してくれるコクランレビューで「胎動が減ったと言う妊婦にどう対応したらよいか」とのテーマが取りあげられていたので、要点をまとめてみました。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4058897/

 

 コクランによると、分かっていることは…

・胎動減少は胎盤機能不全と関連があり、さらに子宮内胎児発育遅延、子宮内胎児死亡、NICU入院と関わっている

・子宮内胎児死亡の数日前から、胎動が減ったことに母親が気づいていることが多い

 

 分かっていないことは…

・上記①〜⑥のすべて…!! ∑(゚д゚lll)ガーン

 

 なーーーーんにもデータでは証明できていないそうです。

いろんな国でいろんな方法が試されているけれど、数字による裏づけはなし。

おそらくこうだろうという専門家の意見を元に、各施設が対応しているのが実情だそうです。

 

 専門家の意見が大きく誤っていることはそんなにないので、それでも良いといえば良いのですが、医学の世界では「◯年前までみんなこうしてたけど、新しい研究の結果、逆効果だったことが分かった!」というどんでん返しがときどきあるので難しいところです。

 

 ひょっとすると、胎動カウント→追加検査→治療、と進んだせいで、不必要な検査をしてしまった/本当は待てたのに早く赤ちゃんを出してしまった/母親を無駄に不安にさせてしまった、などの弊害につながるおそれもあるのだそうで、ひえー。

 

胎動の個人的体験談 & おすすめアプリ

 で、私自身はどうしたかというと…

 胎動カウントをせず自分の感覚に任せる→「今日は胎動が少ないかも」→「うわ絶対少ない!」→「意外とそうでもないかも」→「どっちだろどっちだろ?」→不安のスパイラルに陥る…となるのが嫌だったので、ちゃんとデータで客観的に分かるよう、胎動カウントをすることにしました。

 

 めんどくさがりなので、ノートに記録するのではなく、iPhoneアプリを探すことに。

 

ベネッセのたまごクラブ・ひよこクラブのアプリ「たまカウンタ」 ★★☆☆☆

  レイアウトは見やすかったのですが、動作が不安定でカウントが途中でできなくなることがあり、断念。

 

 Android版も動作が不安定なようですが、一応リンクを貼っておきます↓

たまひよの胎動・陣痛カウンター【たまカウンタ】 - Google Play の Android アプリ

 

WebMDの「Pregnancy」 ★★★★★ ← オススメ!

WebMD Pregnancy

WebMD Pregnancy

  • WebMD
  • Health & Fitness
  • Free

  英語版ですが、そう難しくないと思います。

アプリを起動 → メニュー → Kick Counter → Start Session、でカウント開始。

同じ画面の右上「History」ボタンで過去の胎動カウント履歴が分かります。

 

 1日1回更新される妊婦豆知識の記事や、週ごとにベビーや母体の変化がわかる図解もあるのでオススメです。

 

 妊婦アプリは他にもいろいろ試してみましたが、操作性と情報量が私には合っていたようで、現在はこればっかり参照しています。

 

 Android版はないみたいです…ごめんなさい。

 

胎動のその後

 初日はポコっ…ポコポコっ…と大変かわいらしかった胎動ですが、週ごとに力強く激しくなりまして、現在では毎日ボコスコにやられております。

 

 胎動カウントは2時間以内に10回が正常の目安だったはずですが、ウチの子の最短記録は30秒…! えーっと。逆に心配になるじゃないか。

 

 食後は特にすごくて、「食べものに押されて狭いよ〜」と自己主張したいのか、単に腸の音が激しくなるので目がさめちゃうのか、とにかく暴れるのでカアチャンは苦しいです( ゚∀゚)・∵. グハッ!!

 

※冒頭の妊婦イラストは「いらすとや」さんのフリー素材をお借りしました。

 いつもかわいいイラストをありがとうございます。